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⻭列矯正~見た目以外のあんな効果、こんな効果~
2019.02.20
皆さんこんにちは、学芸大学駅最寄りの碑文谷さくら通り歯科クリニック院長の太田です。
今月の「歯の話」は『⻭列矯正~見た目以外のあんな効果、こんな効果~』です。
歯列矯正と言えば、「歯並びをきれいに」とか「口もとを美しく」など、見た目の効果が強調されがちです。しかし、他にもいろいろな効果があります。
ひとつめには、かみ合わせの改善がもたらすメリットです。かみ合わせが正しくなると、消化機能が高まり食べ物がいっそうおいしく感じられるようになります。また、発音もしやすくなります。歯並びが良くなれば、歯みがきも楽になりよく磨けるので、むし歯や歯周病も減ります。あごの痛みや頭痛、肩こりが治ったという方々もいらっしゃいます。その人たちの痛みの原因は、かみ合わせの不具合だったのでしょう。
もうひとつ大きいことがあります。きれいな歯並びが精神的なコンプレックスを取り除いてくれれば、自信のある明るい生活ができるようになるということです。
さて、次の4つのタイプの歯並びの場合は、歯列矯正が必要となります。
- 上顎前突(出っ歯)
ボールがあたって歯を折ったり、唇を切ることもあります。 - 反対咬合・下顎前突(うけ口)
1.とは逆に下のあごや歯が上あごより前に出ている状態。 - 開咬
奥歯は噛んでいても、前歯がかみ合わず開いている状態。 - 叢生(八重歯・乱ぐい歯)
犬歯が飛び出して、八重歯になったり、歯の向きが違うほうを向いていたりしている状態。
歯は骨としっかりくっついていて、簡単に動くようには見えません。しかし弱い力でも持続的に加え続けることで、案外簡単に動いてしまいます。例として、口呼吸のクセがあり口が常に開いている状態の人は、出っ歯になってしまうことがあります。指しゃぶりの習慣がいつまでも抜けないと、出っ歯や開咬になる恐れが高くなります。抜けた歯のあとを何もせず放っておくと、両隣の歯が抜けた歯の方向に傾いてくるのも同じ理由です。この原理を利用して思った方向に歯を移動させるのが歯列矯正です。1~2、3年(長いときには4、5年)の間、器具をつけて歯を固定し、時間をかけてゆっくり動かしていきます。
歯列矯正は、治療期間も長く、保険がきかないため費用もかかります。矯正した歯が元の位置に戻ってしまうあと戻りなどのトラブルが起こることもあります。治療することを決断する前に医師との話し合いの時間は十分に持ちましょう。矯正によってどこまで治るのか、かみ合わせはどうなるのか、あと戻りの可能性はどうか、などについても説明を受け、納得してから治療に入られることをおすすめします。