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学芸大学の歯医者 | 碑文谷さくら通り歯科・矯正歯科 *

唾液のはたらき

2020.08.25

唾液は「つば」とも言いますが「つばを吐く」「つばを飛ばす」など、少し悪いイメージの方が強いかもしれません。しかし、吐いて口の外に出してはダメですが、お口のなかでは、いくつもの重要な役割を担っています。

いちばんよく知られている働きは、食べ物の消化を助けるという働きです。唾液アミラーゼという消化酵素は、でんぷんを糖に分解する働きをしています。このことで胃腸の負担を軽くしています。
また、糖に変わることで甘さが増し、食欲を高めるという効果があります。
さらによく噛んで食べることで唾液が多量に出て、血液中の血糖値が早く上がります。その結果、満腹中枢に働いて空腹感が満たされ、食べすぎ防止に一役買っています。

もう一つよく知られている働きとして、自浄作用があります。歯や歯間に付着した食べかすやプラーク(歯垢)を洗い流してくれます。
さらに、飲食により酸性に傾いたお口のなかを中和して、脱灰を止める一方、唾液に含まれるカルシウムイオン、リン酸イオンが溶けかかった歯の表面を修復し再石灰化して、むし歯を防いでくれます。その反面、唾液はミュータンス菌を歯の主成分であるヒドロキシアパタイトに付着させ、歯垢をつくり歯石にするという、悪玉成分も含んでいます。
ムチンという成分は口の粘膜を保護する働きをします。食べ物を滑らかにしたり、粘り気を出して口の中の粘膜や舌が傷つかないようにし、発声もスムーズにします。

また、口のなかには多くの細菌がいることが分かっています。リゾチームやラクトフェリンなどは、抗菌ファクターとして細菌の増殖を防ぐ働きで知られていますし、ラクトペルオキシダーゼは、発がん性物質の毒性を抑える働きがあると言われています。エイズウイルスについても、軽いキスなどの行為では感染しないことが分かっていますが、これもエイズウイルスのリンパ球への感染を抑制するスリピという物質の働きです。

唾液には私たち人間を助けてくれるさまざまな役割を持っているとおわかりいただけたと思います。そしてその働きは口のなかにとどまらず全身の器官にまで及んでいます。
ですから、唾液をたくさん出すために、よく噛む食事の習慣をつけ、全身を健康に保ちましょう。また、唾液の分泌は睡眠中は少なくなります、寝る前の歯みがきは忘れずに行いましょう。

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