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学芸大学の歯医者 | 碑文谷さくら通り歯科・矯正歯科 *

歯周病家族

2024.04.19

 なんだかおかしなタイトルですが、今回は歯周病と家族の関係について書いてみます。

 まずは歯周病という疾患ですが、歯科の二大疾患といわれていて、お口のなかに棲みついた歯周病菌が繁殖して、歯肉や歯槽骨といった歯の周りの組織が炎症を起こすというものです。

 進行すると歯槽骨が溶けて歯はグラグラになり、やがて抜け落ちてしまうことになります。

 歯周病の発症と進行は、その原因菌がいることに加えて、全身的要因やさまざまな環境的要因(生活習慣)が組み合わさった結果だといわれています。そして、その過程で「家族」が密接にかかわってきます。

 最初のきっかけである歯周病菌ですが、生まれた時のヒトの口のなかには存在しません。

 母親などおもに家族から感染します。

 乳幼児期の口移しやスプーンや箸、食器の使いまわしなどで入り込みます。

 口のなかにはさまざまな菌が棲んでいて常在菌と呼ばれています。

 3歳くらいになれば口のなかの常在菌の構成比率は決まってきます。構成比率が決まってくると新たな菌は容易には入ってこれなくなります。

 そうであれば、そこまで歯周病菌に感染しないよう気をつければ安心のようですが、それでも親子・夫婦・恋人など一緒に生活する期間が長い関係であれば新たな菌の感染も起こりえます。

 家族の誰かが歯周病であれば、家族全体で注意が必要になるのです。

 さらに家族であれば、歯周病に関連する遺伝的要素も引き継いでいる可能性があります。

 歯周病を発症するかどうかという免疫力、歯垢や歯石のつきやすさ、歯周病になりやすい歯並び、唾液の質などが挙げられます。

 加えて喫煙も歯周病のリスクファクター(危険要因)のひとつですが、受動喫煙により家族もリスクが高まっているかもしれません。

 同じ居住空間で、同じような生活習慣を持ち、同じようなものを食べているとすれば、歯周病に影響するリスクも似通った状態になっているかもしれません。

 このようなことを考え合わせると、ひとりが歯周病になってしまった場合、他の家族も歯周病の予防に気を付けることがよいとおわかりいただけると思います。

 いったんは歯周病の症状が改善しても、再発したり、ご家族の他の方が歯周病になっては元も子もありません。

 歯周病家族にならないよう、ご家族で話し合って、プラークコントロールや、食器の使いまわしを止める、喫煙制限、などできることから始めてください。

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