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学芸大 歯医者 碑文谷さくら通り歯科 *

コーラで歯が溶けるって本当?

2025.08.08

こんにちは、学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科 院長の太田です。
歯科医師になって26年、これまでの数多くの症例を見てきた中で今回は「コーラで歯が溶けるって本当?」について書いていきます。

「コーラを飲むと歯が溶ける」と聞いたことはありませんか?
これは都市伝説ではなく、実際に科学的根拠のある話です。ただし、「飲んだ瞬間に歯が溶ける」といった極端な話ではありません。

コーラに限らず、日常的に摂取している飲み物や食べ物の中には、歯にダメージを与える「酸」や「糖分」が含まれており、これが原因で「歯の表面(エナメル質)」が溶ける=「酸蝕症(さんしょくしょう)」という状態になります。

この記事では、なぜコーラが歯に悪いのか、どんな症状が出るのか、そしてどう予防すればよいのかをわかりやすく解説していきます。

目次

  • コーラで歯が溶けるってどういうこと?
  • 「酸蝕症」とは?虫歯との違い
  • コーラに含まれる酸と糖分の正体
  • 実際に歯が溶けるまでのメカニズム
  • 一日どのくらいまでなら大丈夫?
  • 歯が溶け始めたときのサイン
  • 酸蝕症を予防するための6つの習慣
  • 「ゼロカロリーコーラ」でも安心できない?
  • 歯科医院でできること
  • まとめ

コーラで歯が溶けるってどういうこと?

「歯が溶ける」とは、歯の表面を覆っている「エナメル質」が酸によって徐々に溶けてしまう現象です。
エナメル質は人体の中で最も硬い組織と言われますが、酸には弱く、長時間酸にさらされることで表面が溶けていきます。

「酸蝕症」とは?虫歯との違い

虫歯と似ていますが、違う病気です。
虫歯は細菌が糖分を分解して酸を出し、局所的に歯を溶かすのに対し、
酸蝕症は、飲食物に含まれる酸によって直接的に歯が溶ける状態をいいます。

つまり、コーラを頻繁に飲むと、たとえ歯磨きをしていても酸によって歯がじわじわと削れてしまうのです。

コーラに含まれる酸と糖分の正体

コーラには「リン酸」や「クエン酸」などの強い酸が含まれており、pHはおよそ2.5〜2.7。これはレモン汁と同程度の酸性度です。
また、500mlのペットボトルには角砂糖10個分以上の糖分が含まれており、虫歯菌のエサとなって虫歯も進行しやすくなります。

実際に歯が溶けるまでのメカニズム

酸が歯の表面に触れると、エナメル質からカルシウムやリンが溶け出します(脱灰)。
本来は唾液の力で再石灰化(修復)されますが、頻繁に酸性の飲み物を摂ると修復が追いつかず、徐々にエナメル質が薄くなっていきます。

特に、コーラをダラダラ飲む習慣のある方は、常に口腔内が酸性に傾いてしまい、歯が溶けるリスクが高まります。

一日どのくらいまでなら大丈夫?

「コーラを飲んだら絶対ダメ!」というわけではありません。
しかし、毎日飲む習慣がある方や、食事代わりにコーラを飲む人は要注意です。

一般的に、1日1本まで、食後すぐに飲み切る程度であれば、唾液の作用である程度中和され、酸蝕のリスクは抑えられます。
ただし、夜寝る前の摂取は厳禁です。

歯が溶け始めたときのサイン

酸蝕症が進行すると、以下のような症状が現れます。

  • 冷たいものがしみる(知覚過敏)
  • 歯の先端が透けて見える
  • 歯の表面がざらつく
  • 歯の色が黄色っぽくなる(象牙質が露出)

これらの症状がある方は、すでにエナメル質が薄くなっている可能性があります。

酸蝕症を予防するための6つの習慣

  1. コーラは食後すぐに飲んで、短時間で飲み切る
  2. ストローを使って、歯に直接当たらないようにする
  3. 飲んだ後は水やお茶ですすぐ
  4. 飲んだ直後の歯磨きは避け、30分後に行う
  5. キシリトール入りガムで唾液分泌を促す
  6. 定期的に歯科医院でチェックを受ける

「ゼロカロリーコーラ」でも安心できない?

糖分がゼロでも、酸はしっかり含まれています。
「ダイエットコーラ」や「ゼロカロリー飲料」は、虫歯リスクは減っても、酸蝕症のリスクは変わりません。
むしろ「健康に良い」と思って頻繁に飲むことで、知らず知らずのうちに歯を溶かしてしまっている人も多いのです。

歯科医院でできること

酸蝕症は、早期発見・早期対策が重要です。
当院では、以下のような対応を行っています。

  • 歯の状態の定期的なチェック
  • 知覚過敏の予防処置
  • フッ素塗布による再石灰化促進
  • 食生活のカウンセリング
  • マウスピースの作製(酸からの物理的保護)

まとめ

「コーラで歯が溶ける」というのは、決して誇張ではありません。
しかし、正しい知識と予防法を知っていれば、怖がりすぎる必要もありません。

大切なのは、習慣的な摂取を避けることと、歯に優しい飲み方を心がけることです。

大人も子どもも、炭酸飲料を楽しみながら、健康な歯を守っていきましょう。
気になる症状があれば、早めに歯科医院を受診してくださいね。

碑文谷さくら通り歯科
院長 太田 彰人
日本歯周病学会 認定医
日本顎咬合学会 認定医
かみ合わせ認定医
厚生労働省認定研修指導医
歯学博士

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