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⼝腔がんを知ろう
2019.04.22
皆さんこんにちは、学芸大学駅最寄りの碑文谷さくら通り歯科クリニック院長の太田です。
今月の「歯の話」は『⼝腔がんを知ろう』です。
「がん」といえば、「胃がん」や「肺がん」「大腸がん」「乳がん」などを聞くことが多く、「口腔がん」とは耳慣れない「がん」かもしれません。たしかに、口腔がんは、他の有名ながんと比べるとそのなかで占める比率は小さいのですが、恐ろしい病気であることには変わりありません。
口腔がんはお口のなかにできるがんの総称で、
- 舌がん
- 舌にできるがん
- 口腔底がん
- 舌の歯ぐきの間にできる
- 歯肉がん
- 歯ぐきにできる
- 頬粘膜(きょうねんまく)がん
- 頬の内側粘膜にできる
- 硬口蓋がん
- 上あごにできる
- 口唇がん
- 唇にできる
などがあります。発症率は年々増加していて、そのなかでは、舌がんが一番多く、口腔底がん、歯肉がんの順になっています。
口は、ものがからだに入るときの入り口です。食べ物だけを見ても、熱かったり、辛かったり、硬かったり、尖っていたりするものがあるうえ、アルコールやたばこなど刺激の強いものも口を経ます。お口のなかはいろいろな刺激でいつも傷つきやすい環境にあります。
そのような刺激を受けても、普通は十分に回復できる力を我々は備えているのですが、何度も何度も繰り返し何年も何十年も刺激を受け傷害を受け続けると十分に回復できなくなり、がん発生の原因になってきます。
むし歯や入れ歯が舌などにあたって刺激を与え続けることも、発がんの原因になりますし、お口のなかの衛生状態が良くなく、なんらかの粘膜の障害が常にあるようだと、これもまたがん発生母地となります。
しかし、ここまで見てきていただいてわかるように、口腔がんの場合、その発生は主に外部からの要因となります。したがって、食事の摂りかたや嗜好品の楽しみ方など生活習慣の部分と、お口のなかを清潔にし、良好な状態を保つことができれば、口腔がんの発がん確率を抑えることができます。
口腔がんもほかのがんと同様に、早期発見と早期治療が大切です。以下のような症状が出たときは、はやめにかかりつけ医に相談しましょう。
- 口のなかに痛みがあり、続いている
- 口内炎がなかなか治らない(2週間以上)
- 原因不明の出血がある
- 口のなかに腫れやしこりがある
- 舌、頬、歯ぐきなどが赤くなっていて、沁みたり痛かったりする
- 口のなかの粘膜が白くなった
- あごが腫れて入れ歯が合わなくなった
- 鼻の片側にだけ鼻づまりがある
自治体や歯科医師会が、口腔がん検診を行っている地域も多くなっています。機会があれば受診されることをおすすめします。