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乳⻭のむし⻭
2022.10.25
乳⻭は⽣えかわるから、むし⻭になってもよい…そんな考えをお持ちの⽅もいらっしゃるかもしれません。 すぐにそのような考えは改めていただくことをお願いします。あまり良い 考えとは⾔えないからです。
乳⻭がむし⻭になって、⽳ができてしまうほどになったとしましょう。 そうすると、⾷べものが詰まったり、冷たいものがしみたり、果てには痛みを感じるようになり、お⼦さんにしてみれば不快極まりないことになります。
それだけでもかわいそうな問題ですが、そのような状態になるとお⼦さ んは固いものを嫌い、あまり噛まなくてもよい柔らかい⾷べ物を好むようになるかもしれません。
そのことはあまり噛まない習慣をつけ、お⼝まわりの機能の発達に遅れが出たり、あごが⼗分に発育せず、⻭並びに影響が出てしまう可能性もあります。
むし⻭の影響で、⾷べる量⾃体が減ったり、好き嫌いが多くなるようでは、からだ全体の発育にも良い影響はないでしょう。
別の側⾯から⾒てみましょう。すでに乳⻭の下には⽣える前の永久⻭があり、もし乳⻭がむし⻭になって、⻭根にまで達してしまうと、⽣えようとしている永久⻭のエナメル質や象⽛質が侵される恐れがあります。 乳⻭のむし⻭がさらに進んで、抜⻭してしまうようなことになると、あとから⽣えてくる永久⻭はガイドを失って、正しい位置に⽣えることが難しくなります。
乳⻭がむし⻭になる原因について考えてみましょう。ご存知の⽅もいらっしゃるかもしれませんが、⽣まれたての⾚ちゃんのお⼝のなかには、むし⻭の原因菌はいません。 多くの場合、乳幼児のときに親や周囲の⼤⼈から感染する、と考えられています。具体的には、スプーン での⼝移しや、フーフーと⾷べ物を冷ます⾏為、スキンシップのキスなどが、原因菌を媒介しているのです。
お⼝のなかの細菌の構成の⽐率は、3歳くらいまでに決まってしまいます。逆にそれまで、むし⻭菌に感染しないよう気を付けて乗り切れば、その後はずっとむし⻭になりにくい⼝腔環境で過ごすことができるのです。
乳児期のむし⻭で多いと⾔われているのが、哺乳瓶むし⻭です。哺乳瓶で糖分の多い飲み物を与えることで、むし⻭になってしまうというケースです。とくに哺乳瓶は⻑時間にわたってポタポタと糖分を⼝に 与え含む状態になるので、お⼝のなかが⻑い時間、酸性のままになってしまって、まだ未成熟な乳⻭を溶 かしてしまいます。おとなしくしてくれるからと⾔って、哺乳瓶を持たせ続けることはむし⻭のためには しない⽅が良いでしょう。
また、お⼝のなかを洗浄してくれる唾液の量は就寝中に減ってしまって、酸性の時間が⻑くなりがちです。お休み前は、⽢いものが⼊った哺乳瓶ではなく、⽔やお茶を⼊れたものに代えることで予防をこころがけましょう。