【学芸大学 歯医者】噛むと痛い・しみるは要注意?根管治療が必要になるサイン
こんにちは、学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科 院長の太田です。
「噛むと響く」「冷たいものが強烈にしみる」「何もしていなくてもズキズキ痛む」——こうした症状は、歯髄(神経)の炎症・感染が進んでいるサインかもしれません。歯科医師として26年、重症化を防ぎながら“抜歯回避”につなげるための診断・根管治療・補綴設計・定期管理を数多く行ってきました。本記事では、受診のタイミングから治療の流れ、治療後に長持ちさせるポイントまでを、臨床の視点で丁寧に解説します。初診の手順は初めての方へをご参照ください。
概要
根管治療とは、感染した歯髄を取り除き、根の中を清掃・消毒して緊密に封鎖する処置です。ポイントは「適切な診断」「無菌的環境の徹底」「確実な封鎖」「術後の設計とメインテナンス」の4つ。どれか一つでも甘いと再感染のリスクが上がり、痛みの再発・腫れ・最終的な抜歯につながることがあります。むし歯全般の基礎は虫歯治療、長期安定の思想はやり直しの少ない治療に詳しくまとめています。
目次
根管治療が必要かもしれない5つのサイン
以下のうち複数が当てはまる場合は、早めの受診をおすすめします。
- 持続するしみ:冷温水の刺激が去っても数分以上続く。
- 咬合時痛:噛んだ瞬間・指で押したときに鋭い痛み。
- 自発痛:安静時にズキズキ、夜間や横になると増悪。
- フィステル:歯ぐきにニキビ状の膿の出口ができる。
- 変色・匂い:1本だけ暗く見える/特有の匂いがする。
「痛みが引いたから治った」と思いがちですが、神経が壊死して一時的に感じなくなるだけで、感染源は残っているケースが少なくありません。症状が波のように良くなったり悪くなったりするのは、炎症のステージが揺れ動いているサインです。
先延ばしのリスク:骨の炎症・歯根破折・全身への波及
感染が根尖(歯の根の先)に及ぶと、顎骨の中に根尖性歯周炎が広がり、腫れ・発熱・リンパ節の腫脹を伴うことがあります。さらに咬合力が集中して歯根破折が起こると、多くは保存困難となり抜歯が必要に。抜歯後は入れ歯やインプラント等の補綴治療が必要になり、治療期間・費用・身体的負担が増えます。
稀ではありますが、顎顔面の感染が周囲へ波及すると重篤化のリスクも否定できません。腫れが急速に強くなる、飲み込みにくい、開口しづらい、発熱が続く等があれば、速やかに受診してください。必要時は口腔外科と連携し、安全性を最優先に対応します。
当院の根管治療フロー:可視化と無菌操作を軸に
- 精査・診断:問診/打診・温度診・電気歯髄診/レントゲン。必要に応じてCTで根尖病変や根形態、穿孔・破折の有無を立体評価します。
- 無菌的環境の確保:ラバーダムや隔壁で唾液混入を遮断し、徹底滅菌した器具で処置します。再感染を招かない「環境づくり」が成功率を左右します。
- 根管拡大・洗浄:解剖学的形態を尊重しながら拡大。化学的洗浄で細菌・デブリを除去し、側枝や湾曲根、追加根管の見落としを避けるため拡大視野で可視化します。
- 根管充填:乾燥を確認のうえ根尖まで緊密封鎖。マイクロリーケージを最小限に抑えます。
- 支台築造・仮封/最終補綴:封鎖性を担保しつつ、早期に仮歯や最終補綴へ。咬合負担を分散させ、破折・再感染を防止します。
治療の各ステップには明確な意図があります。仕上がりのイメージは症例紹介も参考にしてください。
“長持ち”を左右する被せ物設計と噛み合わせ管理
根管治療後の歯は、内部の水分量低下や欠損により割れやすい状態です。そこで重要になるのが、清掃性と封鎖性を両立した補綴設計と、力のコントロール(咬合管理)。マージン位置、接着操作、コンタクトの強さ、咬頭嵌合位での接触バランス……これらが不適切だと再感染や破折を招きます。
当院ではやり直しの少ない治療の思想に基づき、封鎖性の高い被せ物とメインテナンスでの微調整をセットで行います。歯ぎしり・食いしばりが強い方にはナイトガードを併用し、就寝時の過大な側方力から歯を守ります。
痛みが苦手な方への配慮/通院回数・期間の目安
痛みに配慮した局所麻酔手技、適切な術前説明、治療時間の分割、途中休憩の導入など、個別のニーズに合わせて進めます。通院回数は感染の程度・根の形態・補綴計画によって変わりますが、急性期は痛みの緩和と無菌的処置の両立を優先し、段階的に確実な封鎖へ移行します。
強い腫れや開口障害がある場合は抗菌薬・消炎鎮痛薬を適切に使用しつつ、感染源の除去を急ぎます。状態により外科的ドレナージが必要なこともあり、その際は口腔外科と連携します。
再発を防ぐメインテナンスとセルフケアの実践
根管治療が成功しても、上部構造の周囲にプラークが溜まれば再感染のリスクは残ります。定期的なメインテナンスでバイオフィルム除去・咬合の微調整・清掃指導を行いましょう。ご自宅では、歯間ブラシやフロスを取り入れ、歯と歯の間・被せ物の縁にプラークを残さないことが重要です。
「痛くなったら行く」から「悪くならないために通う」へ。結果的に通院回数や支出を抑え、仕事・育児・学業との両立が図りやすくなります。むし歯の再発が疑われる場合は虫歯治療へ、歯周炎を伴う場合は歯周病治療と併行してコントロールします。

費用と選択肢:保険・自費の違いと判断軸
保険診療でも適切なプロトコルで良好な結果が望めますが、拡大視野・器具・材料・補綴設計により自費治療を選択することで、封鎖性・再現性・審美性を高められるケースもあります。いずれも「患者さんの状態」と「治療目標」を軸に、メリット・デメリット・代替案を明確に比較したうえで決めます。料金の目安は価格表をご参照ください。
なお、抜歯に至った場合は、その後の噛み合わせと清掃性を踏まえて、入れ歯・インプラント・ブリッジなどを比較検討します。どの選択でも、長期視点でのメインテナンスは不可欠です。
まとめ:痛みを繰り返さない治療計画へ
「噛むと痛い」「しみる」を放置すると、感染は静かに進行し、ある時点で急性増悪を起こします。早期の診断と、無菌的で確実な根管治療、清掃性と封鎖性を重視した補綴、そして定期メインテナンス——この一連の流れが、抜歯回避と再発予防の最短ルートです。学芸大学・碑文谷エリアで保存治療にこだわる歯科をお探しの方は、虫歯治療・やり直しの少ない治療・メインテナンスをご覧ください。治療のイメージは症例紹介にも掲載しています。
碑文谷さくら通り歯科/学芸大学駅 徒歩圏
院長 太田 彰人
日本歯周病学会 認定医/日本顎咬合学会 認定医/かみ合わせ認定医/厚生労働省認定研修指導医/歯学博士
