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インプラントは本当に安全?

はじめまして、学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科の院長 太田です。今回のテーマは「インプラントは本当に安全か?」です。歯を失った場合の治療として注目度が高い一方、外科処置ゆえのリスクを不安視する声もよく耳にします。そこで本記事では、「インプラントのリスクをしっかり理解しつつ、その安全性を高めるポイント」を専門家の視点から解説いたします。さらに、ブリッジや入れ歯など他の治療法との比較、治療のメリットとデメリットを踏まえたうえで安心して選択いただくための情報をお届けします。

【目次】

  1. インプラント治療とは?
  2. インプラントの安全性を支えるポイント
  3. インプラント治療におけるリスクとデメリット
  4. 安心して治療を受けるためのチェックポイント

1.インプラント治療とは?

歯を失った際の治療法にはブリッジ・入れ歯・インプラントの3つがあります。インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に冠をかぶせる治療法です。ブリッジ入れ歯と異なり、隣接する歯を削る必要がないため、健康な歯を守りやすい点が特徴です。また、直接骨に固定するためかむ力がしっかり伝わり、顎骨に刺激を与えて骨の減少を防ぐ効果も期待できます。ただし、外科処置を伴うため、糖尿病や骨粗しょう症などの全身状態によっては適応が難しいケースもあり、事前の検査と診断が欠かせません。
当院が採用するストローマンインプラントは、生体親和性の高いチタン製で、表面処理技術により骨と強固に結合しやすい点が大きな強みです。世界シェアNo.1の実績があり、長期間の耐久性が立証されています。

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2.インプラントの安全性を支えるポイント

インプラントは本当に安全なのか?」という疑問は当然です。実際に外科的手術となるため、不安を感じる方は少なくありません。しかし、適切な検査・診断高度な技術、徹底した滅菌環境が整っていれば、インプラント治療の安全性は格段に向上します。
当院では術前にCTを活用し、骨の厚みや神経・血管の位置を三次元的に把握したうえで埋入位置や角度をシミュレーション。骨が足りない場合は、ソケットリフトやサイナスリフトなどの骨造成を行い、安全にインプラントが固定できる環境を整えます。また、手術中にもCT撮影を行い、神経や血管を避けつつ正確に埋入できるようリアルタイムで調整しています。

3.インプラント治療におけるリスクとデメリット

インプラント治療は非常に有効な手段ですが、いくつかのリスクとデメリットがあります。まず保険適用外のため費用が高額になる点が挙げられ、一般的に1本あたり40~45万円ほどかかる場合が多いです。さらに、外科処置による痛みや腫れ、神経損傷などのリスク、顎の骨と結合しない可能性もゼロではありません。特に重度の糖尿病や骨粗しょう症の方は、骨の回復力や免疫力に影響があるため慎重な判断が求められます。
また、インプラントは埋入して終わりではなく、術後のメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると歯周病と似た症状のインプラント周囲炎が発症し、最悪の場合インプラントが脱落してしまうリスクもあります。

4.安心して治療を受けるためのチェックポイント

インプラント治療で安心を得るためには、まず実績豊富な歯科医院を選ぶことが大切です。CT診断や骨造成の経験が豊富であるか、使用するインプラントメーカーの安全性や耐久性が十分に検証されているかを確認しましょう。治療前にはブリッジや入れ歯との比較を行い、メリット・デメリットを把握したうえで判断することも重要です。また、治療後は定期検診とクリーニングを欠かさず受けることで、インプラント周囲炎を予防し、長持ちさせることができます。顎の骨が不足している場合でも、スプリッドクレストやGBRなどの手法で骨を増やして埋入可能なケースもありますので、専門家にご相談ください。

【まとめ】

インプラント治療は「歯を失ったあとに再び自分の歯のように噛める」という大きなメリットがあります。しかし、外科手術という不安要素や費用面**、全身状態の問題など、慎重に考慮すべきポイントが多いのも事実です。もし治療を検討されるなら、信頼できる歯科医院でしっかりと検査・診断を受け、ブリッジや入れ歯も含めた各治療法の特徴を納得いくまで比較・検討しましょう。適切なメンテナンスを継続すれば、インプラントは長期間にわたって高い満足度を得られる治療法となります。学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科では、患者さまお一人おひとりの状況に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

碑文谷さくら通り歯科 

院長 太田 彰人

日本歯周病学会 認定医

日本顎咬合学会 認定医

かみ合わせ認定医

厚生労働省認定研修指導医

歯学博士

入れ歯のメリット・デメリット

こんにちは、学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科 院長の太田です。
歯科医師になって26年、これまでの数多くの症例を見てきた中で今回は「入れ歯のメリット・デメリット」について書いていきます。


入れ歯は、歯を失った方が噛む機能を取り戻し、食事を楽しみ、会話をスムーズにするために欠かせない治療方法の一つです。しかし、実際に入れ歯を作るとなると「どんな種類があるの?」「痛みが出るって聞いたけど本当?」「お手入れはどうすればいいの?」など、多くの疑問を持たれる方も多いと思います。そこで本記事では、入れ歯の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、また上手に使いこなすコツまで詳しく解説していきます。

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■目次

  1. 入れ歯とは?
  2. 入れ歯のメリット
  3. 入れ歯のデメリット
  4. 入れ歯のお手入れとケアのポイント
  5. 入れ歯が合わないと感じたときの対処法
  6. 最新の入れ歯事情(デジタル技術と素材の進化)
  7. まとめ
    ―――――――――――――――――――――

1. 入れ歯とは?

入れ歯とは、歯を失った部分を人工の歯で補うための装置の総称です。大きく分けると、残っている歯に部分的に引っかけて使う「部分入れ歯」と、すべての歯を失った際に顎の粘膜や歯ぐきなどに直接乗せる「総入れ歯」の2種類があります。入れ歯は歯を補う治療手段として長い歴史を持っており、現在もブリッジやインプラントと並んで、代表的な欠損補綴(けっそんほてつ)治療の一つです。

入れ歯を作る際には、患者さまそれぞれの口腔内の形態や咬み合わせ、残存歯の状況などをしっかり確認し、個々に合った設計を行います。たとえば部分入れ歯であれば、歯にかける金属製のバネ(クラスプ)をどこに配置するか、総入れ歯であれば歯ぐきとの接触面や咬合面をどう設計するか、といった点がポイントになります。


2. 入れ歯のメリット

(1) 比較的短期間で歯を補える

インプラントの場合は顎の骨に人工歯根を埋め込むため、治療期間が長くなることが多いです。それに比べて入れ歯は、型取りや調整を経て比較的短い期間で使い始めることができます。

(2) 外科的処置が不要(もしくは少ない)

入れ歯装着に大きな手術は基本的に必要ありません。外科処置に不安をお持ちの方や、全身的な疾患があるため外科治療に踏み切れない方にとって、入れ歯は重要な選択肢の一つになります。

(3) 複数の歯を同時に補える

たとえば、上下ともに大きく歯が抜けてしまった場合でも、一度に複数本分を補うことができるため、幅広い欠損に対応できます。総入れ歯では上下全ての歯を同時に補うことが可能なので、噛む機能を総合的に回復できるのがメリットです。

(4) 調整や修理が比較的簡単

入れ歯は装置そのものが破損した場合でも、新しい部品や素材を追加したり、噛み合わせを調整したりすることが比較的スムーズに行えます。特に部分入れ歯であれば、残っている歯の状態に合わせて改造することで長期的に使うことも可能です。

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3. 入れ歯のデメリット

(1) 違和感・慣れが必要

作りたての入れ歯はどうしても口の中で“異物”と感じられやすく、発音しづらい、噛むと痛む、食べ物の温度が感じにくいなどの違和感が出ることがあります。これらは装着を続ける中で徐々に慣れていくことが多いですが、ある程度の時間が必要です。

(2) 噛む力が天然歯より弱い

入れ歯は粘膜で支える構造上、どうしても噛む力が天然歯やインプラントよりも劣る傾向があります。硬い食べ物を噛むときに食べにくいと感じる方や、部分入れ歯の金属バネがかかる歯に負担がかかる場合があります。

(3) 定期的な調整が必要

お口の中は日々変化しており、特に歯を失った部分の顎の骨や歯ぐきは時間とともに痩せてしまうことが多いです。そのため、定期的な調整を行わないと入れ歯が合わなくなり、痛みや噛みづらさが生じる可能性があります。

(4) お手入れを怠るとトラブルの原因に

入れ歯は装着中に食べカスがたまりやすく、きちんと洗浄・清掃しないと細菌やカビが繁殖し、口臭や口内炎、歯ぐきの炎症などの原因になります。

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4. 入れ歯のお手入れとケアのポイント

入れ歯を快適に長く使うためには、日々のケアが不可欠です。以下に基本的なポイントをまとめます。

  1. 専用のブラシで清掃
     普通の歯ブラシを使っても構いませんが、入れ歯の表面は細かい凹凸があるため、できれば入れ歯用の専用ブラシの使用をおすすめします。軽く水洗いした後、洗浄剤とブラシで優しくこすって汚れを落とします。
  2. 就寝時は外して保管
     就寝時に入れ歯をつけたままだと、歯ぐきが休む時間がなく、血流の悪化を引き起こす場合があります。清潔に洗った入れ歯は、専用のケースに水または専用の洗浄液を入れて保管しましょう。
  3. 定期検診でプロのチェック
     入れ歯の状態はもちろん、残っている歯や歯ぐきの状態を定期的に歯科医院でチェックしましょう。合わない入れ歯を使い続けると、歯ぐきの傷みだけでなく、残存歯の寿命にも影響を与えかねません。

5. 入れ歯が合わないと感じたときの対処法

入れ歯を使い始めてしばらくすると「痛い」「噛めない」「外れやすい」といったトラブルが起きることがあります。これは、口腔内の変化や入れ歯自体の微妙なズレが原因である場合が多いです。違和感や不具合を感じたら、自己判断で無理に使い続けず、歯科医院で調整を受けてください。

  • 痛みがある場合
    入れ歯が当たっている部分に負担が集中している可能性があります。削る調整だけで改善することも多いです。
  • 外れやすい場合
    入れ歯安定剤(義歯用接着剤)を使用することがありますが、根本的には入れ歯の形が合っていない可能性が大きいです。歯科医院で吸着を良くするための調整を受けるか、新しい入れ歯の作製を検討しましょう。
  • 噛み合わせがズレる場合
    入れ歯と歯ぐきの間に隙間ができたり、咬み合わせの高さが変わったりすることでズレが生じます。定期検診を受けて咬合調整を行うことが重要です。

6. 最新の入れ歯事情(デジタル技術と素材の進化)

近年、歯科医療の進歩に伴い、入れ歯にも新しい技術や素材が導入されています。たとえば、デジタルスキャナーを使って口腔内を正確に採型することで、より精度の高い入れ歯を設計・製作できるようになりました。また、3Dプリンターを活用した試作や最終的な補綴物の作製も進みつつあります。

素材面では、金属を使わないノンクラスプデンチャー(バネのない入れ歯)などの登場により、見た目が自然で装着感の良い入れ歯の選択肢が広がっています。従来のレジン素材よりも薄く、柔軟性があるため、違和感や痛みを軽減できる可能性も高いです。さらに耐久性や清掃性、アレルギーリスクといった点も考慮して、患者さま一人ひとりに最適な素材を選ぶことが可能になっています。


まとめ

入れ歯は歯を失った際の有効な治療方法の一つであり、比較的短期間かつ外科的負担が少なく、複数歯を同時に補うことができます。一方で、装着時の違和感や噛む力の低下、定期的な調整の必要性などのデメリットも存在します。
しかし、適切にケアを行い、歯科医院でこまめに調整を受ければ、そのデメリットを最小限に抑え、快適な日常生活を送ることができるでしょう。デジタル技術や新素材の導入により、これまで以上にフィット感や審美性の高い入れ歯を作ることも可能となっています。もし入れ歯に関するお悩みや疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。皆さまの快適な口腔環境づくりを全力でサポートいたします。

碑文谷さくら通り歯科
院長 太田 彰人
日本歯周病学会 認定医
日本顎咬合学会 認定医
かみ合わせ認定医
厚生労働省認定研修指導医
歯学博士

迷わない入れ歯選び│4つのタイプと活用術

こんにちは、学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科 院長の太田です。本日は「入れ歯の選択肢」をテーマに、当院で取り扱っている入れ歯の特徴や、入れ歯を選ぶうえで知っておきたいポイントについて詳しくお話しします。近年は素材や技術の進歩により、入れ歯の選択肢がますます増えています。自分に合った入れ歯を見つけて、快適な食事や生活を取り戻す一助となれば幸いです。

【目次】

  1. 入れ歯の基本知識
  2. 当院で取り扱う4種類の入れ歯
  3. 入れ歯選びのポイント
  4. 入れ歯を長持ちさせるメンテナンス

1.入れ歯の基本知識

歯を失った場合に、そのまま放置してしまうと噛み合わせのバランスが崩れ、残っている歯に大きな負担がかかることがあります。また、見た目や発音にも影響が出たり、食事を楽しみにくくなるなど、生活の質が低下するリスクも高まります。そこで登場するのが入れ歯です。入れ歯は、歯のない部分を補い、しっかり噛む機能をサポートし、見た目の改善にも寄与する大切な治療法の一つです。
入れ歯とひとくちに言っても、部分入れ歯や総入れ歯、素材によってさまざまなタイプがあります。患者さまそれぞれの口腔環境やご要望に合った入れ歯を選ぶことで、より快適に食事や会話を楽しむことができます。

2.当院で取り扱う4種類の入れ歯

当院では、患者さま一人ひとりの状況やご希望に合わせて、以下の4種類の入れ歯をご用意しています。それぞれの特徴を理解し、患者さまに合った入れ歯を選んでいただくことが大切です。

(1) コンフォートデンチャー
コンフォートデンチャーは、歯ぐきとの接触面に軟性素材を使用することで、装着時の痛みや違和感を軽減し、フィット感を高めた入れ歯です。噛む力が強い方でも安定しやすいとされ、金属アレルギーのリスクを回避できる点も魅力です。ただし、一般的に保険外診療となるため、費用面は通常のレジン床に比べて高めになる傾向があります。

(2) 金属床義歯
金属床義歯は、床(しょう)と呼ばれる歯ぐきに当たる部分にコバルトクロムやチタンなどの金属を使った入れ歯です。金属を使用することで床を薄く作れ、装着時の違和感が軽減されるほか、耐久性や熱伝導性にも優れています。長期間使用しても変形しにくいので、快適な状態を保ちやすいのが特徴です。一方で、保険適用外であることが多く、初期費用が高い点には注意が必要です。

(3) 磁石式入れ歯
磁石式入れ歯は、歯根に埋め込んだ金属と入れ歯側の磁石を吸着させて固定するタイプの入れ歯です。ズレが少なく安定感が高いため、食事や会話中に外れにくいのがメリットと言えます。クラスプ(バネ)などを使わない分、見た目も自然に仕上がりやすい点が魅力です。ただし、歯根やインプラントが必要になるケースもあり、適応には口腔内の状態や骨量などの条件が求められます。

(4) レジン床
レジン床とは、合成樹脂(レジン)を主な素材とする床を持つ入れ歯です。保険適用となることが多く、比較的手頃な費用で作れるため、初めて入れ歯を作る方にも選ばれやすいタイプです。一方で、耐久性や熱伝導性の面では金属床に劣る部分があります。割れやすかったり、長期間使うと変色が進む場合もあるため、定期的な調整やケアが不可欠です。

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3.入れ歯選びのポイント

入れ歯を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておくと、より満足度の高い結果に繋がりやすくなります。

  • 目的やライフスタイルを考慮する
    食事をとる機会が多い、会話重視、費用を抑えたい…など、それぞれの優先事項を明確にしましょう。
  • 歯科医師と充分に相談する
    口腔内の健康状態やアレルギーの有無、全身疾患の状況など、専門家の視点からしっかり評価してもらうことが大事です。
  • メリットとデメリットを知る
    どの入れ歯にも長所と短所があります。納得できる選択のためには、両方の面をしっかり理解しましょう。

4.入れ歯を長持ちさせるメンテナンス

入れ歯を快適に使い続けるためには、メンテナンスが欠かせません。定期的に歯科医院で調整を受け、噛み合わせやフィット感をチェックしてもらいましょう。入れ歯は経年変化や歯ぐきの変化によって合わなくなることがあり、そのまま放置すると痛みや傷み、口内炎の原因になることもあります

また、毎日のケアでは、入れ歯専用のブラシや洗浄剤を使って清潔に保つことが大切です。就寝時には入れ歯を外して、歯ぐきや顎を休ませることをおすすめしています。こうした習慣が、入れ歯の寿命を延ばし、口腔環境を良好に保つ秘訣です。

【まとめ】

今回は「入れ歯の選択肢」として、コンフォートデンチャー、金属床義歯、磁石式入れ歯、レジン床の4種類をご紹介しました。入れ歯は、歯を失った方が再び快適な食事や会話を楽しむために欠かせない存在です。一方で、合わない入れ歯を使い続けると、思わぬトラブルを招くこともあります。ご自身にぴったりの入れ歯を選ぶためには、歯科医師にしっかり相談し、定期的にメンテナンスを行うことが何より大切です。
学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科では、患者さまの口腔環境やご希望に合わせて最適な入れ歯をご提案し、安心して長く使っていただけるようサポートいたします。入れ歯の選択肢についてご不明な点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。

碑文谷さくら通り歯科

院長 太田 ​

日本歯周病学会 認定医

日本顎咬合学会 認定医

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厚生労働省認定研修指導医

歯学博士

親知らずを抜いたほうが良いサインは?

こんにちは、学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科 院長の太田です。
歯科医師になって26年、これまでの数多くの症例を見てきた中で今回は「親知らずを抜いたほうが良いサインは?」について書いていきます。


親知らずは正式には「第三大臼歯」と呼ばれ、成人期に生えてくることの多い歯です。まっすぐキレイに生えてくれれば問題ないのですが、実際には斜めに生えたり埋まったままになったりと、トラブルを引き起こしやすい歯として知られています。痛みや炎症が起こるだけでなく、むし歯や歯周病のリスクも高めてしまう原因にもなるため、抜歯を検討したほうが良いケースも少なくありません。今回のブログでは、親知らずを抜いたほうが良いサインや注意点、抜歯のタイミングなどを詳しく解説していきます。


目次

  1. 親知らずとは何か?
  2. 親知らずを抜く必要がある理由
  3. 抜歯を検討したほうが良いサイン
  4. 抜歯のタイミングと注意点
  5. 抜歯後のケアと生活上のポイント
  6. 親知らずのお悩みに対する当院のアドバイス
  7. まとめ

1. 親知らずとは何か?

親知らずは、一般的に10代後半から20代前半に生えてくることが多い歯です。ただし、個人差が大きく「30歳を過ぎてから突然生えてきた」という方も少なくありません。日本人の顎は欧米人と比べて小さめであるため、親知らずが生えるスペースが足りず、斜めや横向きに生えてしまうことが多いのが特徴です。

親知らずは4本生えてくるケースが一般的ですが、中には1本も生えない方もいます。生えていないように見えても、実は歯茎の下に埋まっている場合もあります。また、レントゲン写真で確認すると、顎の骨の深いところに完全に埋まっていて、表面上は全く問題がないように見える方も存在します。


2. 親知らずを抜く必要がある理由

2-1. むし歯歯周病リスクの増大

斜めや横向きに生えた親知らずの周辺は磨き残しが起こりやすいため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。特に手前の奥歯(第二大臼歯)との隙間が狭いと、歯ブラシが届きにくくなるため、むし歯が進行してしまいがちです。さらに歯周ポケットが深くなり、歯茎の炎症を悪化させる要因にもなります。

2-2. 隣の歯への悪影響

斜めに生えている親知らずは、隣の歯を圧迫するような形になる場合があります。長期的に圧迫が続くと、手前の歯の根元にむし歯ができたり、歯根を傷つける恐れも。大切な奥歯を守るためにも、親知らずが原因でダメージを与えている場合は抜歯が推奨されます。

2-3. 顎関節への負担

親知らずが正しい位置に生えずに咬み合わせに影響を与えると、咀嚼(そしゃく)のバランスが崩れ、顎関節に負担がかかることがあります。顎関節症の原因のひとつにもなり得るため、歯ぎしりや顎の違和感が続く場合は早めに歯科医師に相談することが大切です。


3. 抜歯を検討したほうが良いサイン

ここでは、親知らずを抜いたほうが良いかもしれない具体的なサインをいくつかご紹介します。

3-1. 繰り返す痛みや腫れ

親知らず周辺の歯茎が腫れて痛みを感じたり、膿が溜まって何度も炎症を起こす場合は要注意です。特に歯茎の一部が親知らずを覆っている状態(智歯周囲炎)になると、磨きにくさから菌が増殖しやすく、痛みや腫れを繰り返すケースが非常に多くみられます。

3-2. 口臭や変な味がする

親知らず周辺がむし歯や歯周病にかかると、膿や汚れの蓄積によって口臭が強くなったり、歯茎から出血しやすくなったりする場合があります。歯磨きを念入りにしても改善しない口臭や違和感が続く場合は、親知らずが原因のひとつかもしれません。

3-3. 隣の歯のむし歯が治らない

手前の奥歯がむし歯になって治療しても再発を繰り返す場合は、親知らずの存在が原因になっている可能性があります。歯と歯の隙間に汚れが溜まりやすく、治療後の管理が難しい状況だとむし歯がぶり返すリスクが高いため、抜歯を検討するのが望ましいこともあります。


4. 抜歯のタイミングと注意点

4-1. 早めに歯科医院で相談を

上記のサインや違和感を少しでも感じたら、早めに歯科医院でレントゲン撮影などの精密検査を受けることが大切です。親知らずの位置や生え方を把握することで、抜歯の必要性やリスク、ベストなタイミングを判断できます。

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4-2. 症状がない場合でも定期的にチェック

親知らずがまっすぐ生えていて特に痛みがないケースでも、定期検診で状態を確認しておくことが大切です。歯ブラシがうまく届かない部分はむし歯や歯周病リスクが高まります。気づいたときには抜歯が難しい状況になることもあるため、普段から予防的に管理することが重要です。

4-3. 健康状態やライフイベントを考慮

親知らずの抜歯は比較的大掛かりな処置となる場合があります。妊娠中や大きなイベント、仕事の繁忙期などは負担が大きくなることもあるため、タイミングを慎重に選ぶ必要があります。歯科医師と相談して、症状の急性化が起こりにくい時期を選ぶのがおすすめです。


5. 抜歯後のケアと生活上のポイント

5-1. しっかりと安静を保つ

抜歯後は出血や痛みが続くこともあります。血液のかたまり(血餅)が傷口を保護する役割を担うため、口をゆすぎすぎたり過度にうがいをすると治りが遅れる原因になります。痛み止めや抗生物質など処方された薬は歯科医師の指示通りに服用し、患部を刺激しないよう注意しましょう。

5-2. 食事や飲み物の注意

抜歯直後は硬いものや辛いもの、刺激の強い飲み物はできるだけ避け、患部に負担をかけないようにしましょう。温かい食事や飲み物は血管を拡張させ、出血を促す可能性があるので、最初の数日はぬるめや冷たいものを選ぶほうが安心です。

5-3. 歯磨き方法の工夫

抜歯後の傷口周辺をブラッシングする際は、歯茎を強く刺激しないように気をつけましょう。歯ブラシの先端を使い、優しく汚れを落とすことが大切です。また、歯科医院でアドバイスされた専用の洗口液やうがい薬を活用すると、感染リスクの低減に役立ちます。

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6. 親知らずのお悩みに対する当院のアドバイス

6-1. カウンセリングを重視

当院では、患者さんの不安をできるだけ軽減するために、カウンセリングを重視しています。痛みの程度やライフイベント、全身の健康状態などを総合的に考慮しながら、最適な治療方針を提案いたします。

6-2. 痛みの少ない治療

抜歯は怖いというイメージをお持ちの方も多いと思いますが、局所麻酔や静脈内鎮静法など、できるだけ痛みを感じないための方法を選択することが可能です。当院では患者さんの恐怖心を和らげるため、コミュニケーションを大切にしながら安心して治療を受けられる環境づくりを心がけています。

6-3. 抜歯後のフォローアップ

抜歯後の経過観察やケア指導も綿密に行います。術後の通院や洗浄、必要に応じた薬の処方などを含め、トラブルが起きないよう徹底的にサポートいたします。もし術後に気になる症状が出た場合は、早めにご連絡いただければ迅速に対応いたします。


まとめ

親知らずは体質や顎の大きさ、生え方など個人差が大きいため、すべての人が必ず抜く必要があるわけではありません。しかし痛みや腫れ、むし歯や歯周病などの症状が繰り返し起こる場合、あるいは隣の歯への影響が懸念される場合は、抜歯を検討したほうが良いケースが多いのも事実です。

一番大切なのは、親知らずの状態を的確に把握し、症状やリスクに応じて適切な時期に抜歯やケアを行うことです。違和感を覚えたら放置せず、まずは歯科医師に相談してみてください。定期的なレントゲン検査やプロのクリーニングを受けることで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

当院では患者さんそれぞれの状況に合わせた診断・治療プランを提案し、不安や疑問にもしっかり対応いたします。親知らずに関するお悩みや「抜いたほうがいいのか分からない」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

碑文谷さくら通り歯科
院長 太田 彰人
日本歯周病学会 認定医
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歯学博士

Tooth Wear(トゥース・ウェア)とは

こんにちは、学芸大学の歯医者 碑文谷さくら通り歯科 院長の太田です。

歯科医師になって26年、これまでの数多くの症例を見てきた中で今回はTooth Wear トゥース・ウェア)について書いていきます。

Tooth Wear トゥース・ウェア)とは、耳慣れない言葉だと思います。

Tooth(トゥース)は歯のことで、Wear(ウェア)は、「着る」とか「服」などを思い浮かべるので、なんだか結びつきません。実はWear(ウエア)には「長く身につける」という意味から「すり減る」という意味もあるのです。


そこでTooth Wear(トゥース・ウェア)ですが、「むし歯でもないのに、歯が溶けたり欠けたりすること」という意味の疾患なのです。


トゥース・ウェアは、軽度のものを含めるとほとんどの人に見られると言われていて、虫歯、歯周病に次ぐ第3の歯科疾患として近年注目をあびています。


なぜトゥース・ウェアになってしまうのでしょうか。
これには3〜4つの原因があると言われています。

1) 咬耗(こうもう)・・・歯と歯、歯と食物、歯と修復物などが接触して歯が削れます。
歯ぎしりや噛み締め、固いものを好んで食べる嗜好、上下歯列接触癖(TCH = Tooth Contacting Habit)がある人などに多く見られます。


2) 酸蝕・・・歯の表面を彼っているエナメル質は、人体で最も硬い組織ですが、強い酸に触れると化学反応を起こして、歯が溶けてしまいます。
柑橘系などのフルーツや飲料、スポーツドリンク、ビタミンC製剤の服用、酒やワインなどの過剰な飲酒、習慣的に歯が酸に接触する頻度が高い人、接触する時間が長い人は注意が必要です。
また、逆流性食道炎、拒食症、過食症などによる自己誘発性おう吐などの影響で胃液の逆流することが
たびたびあると溶けることがあります。


3) 摩耗・・・摩擦による作用で歯の表面がすり減った状態をいいます。
歯ブラシ(ゴシゴシと磨き過ぎる)によるものが原因の多くを占めます。
歯ブラシの硬さ、磨く強さ、磨き方によっては、歯肉との境目の部分が削れ(くさび状欠損)、歯ぐきが下がってきます。


4) アブフラクション・・・強い歯ぎしり、食いしばりなどで、歯と歯ぐきの境目のエナメル質に力が加わり、削れていきます。このケースでもくさび状欠損が見られます。


咬耗であれば、かみ合わせや詰め物・彼せ物の調整、酸触・摩耗の場合は生活習慣や歯歴き方法の見直し、アブフラクションもマウスピースの利用など、それぞれに適した治療法や予防法があるので、少しでも症状を感じたら、歯科医師に相談しましょう。

碑文谷さくら通り歯科 

院長 太田 彰人

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